シニアのわんちゃんをキレイに!負担をかけずにシャンプーするには?

「うちの子、シニアだけどシャンプーしても大丈夫かな…」

シニアのわんちゃんと暮らす飼い主さんの中には、きれいにしたくても、わんちゃんの体への負担を気遣い、シャンプーをためらう方もいることと思います。

一般的に、6~7歳の小型犬と中型犬、5~6歳の大型犬がシニアに該当します。
シニアのわんちゃんも脂汚れや菌の繁殖によって臭いの発生や皮膚の炎症が起きてしまうため、日常的なシャンプーケアをすることが理想的です。
しかし、シニアのわんちゃんは疲労しやすいなどの特性によってシャンプーをすることの負担が大きくなってしまいがちです。

今回は、わんちゃんがシニア期やもうすぐシニア期を迎えるという飼い主さんを対象に、なるべく体がかからないシャンプーケアについて解説します。



シニアのわんちゃんはどうしてシャンプーをする際に配慮が必要なのでしょうか?

犬は年齢とともに皮膚が乾燥しやすくなり、結果として刺激に敏感になると言われています。
元々皮膚は皮脂を分泌することで自然に保湿する作用がありますが、シニアのわんちゃんは皮脂の分泌量が減ることによって肌が乾燥しやすいという特徴があります。
肌が乾燥すると皮膚が刺激を受けた際にかゆみなどを引き起こしてしまうため、シニアのわんちゃんは刺激に敏感な肌にもなりやすいと言えるでしょう。

また、シニアのわんちゃんは関節の問題を抱えていることもあります。
関節炎があったり、関節が硬くなったりすると、シャンプー中に動いたりをすることで痛みを引き起こす可能性があります。
長時間にわたって同じ姿勢を保つことも負担が大きいため、シャンプーをする時間を短くするなどの工夫することが大切です。

加えて、視覚や聴覚の低下によって水が苦手になるシニアのわんちゃんもいます。
何が起きているかわからない中でシャワーをするといきなり水をかけられたと感じ、びっくりしてしまうことがあります。
そのため、以前からシャンプーをしていたとしても、苦手になってしまうこともあるのです。

最後に、シニアのわんちゃんは内臓疾患を持ち合わせている場合があります。内臓に持病を持っていると、シャワーの温度や浴室と洗面所の寒暖差などの影響を受けやすくなります。
特に心臓や呼吸器に問題がある場合、シャンプー中の負担で体調を崩すことがあるため、シャンプー前にかかりつけの獣医師に相談しましょう。

以上のように、シニアのわんちゃんは皮膚や関節の状態、視覚や聴覚の低下、持病などによってシャンプーの負担が大きかったり、嫌な思いをしてしまったりするため、配慮が必要となります。



それでは、わんちゃんの体に負担をかけずにシャンプーをするにはどうすればいいのでしょうか?

まず、どのようなシャンプーを使用するかを決めましょう。
シニアのわんちゃんをシャンプーする際の選択肢としては、主にドライシャンプーと一般的なシャンプーに大別されます。

ドライシャンプーは、水で洗い流す必要がなく、体への負担が少ないシャンプーです。
わんちゃんの洗いたい部分に泡をなじませて、タオルで拭きとるだけで脂汚れが落とせるため、ご自宅の好きな場所で行うことができます。
浴室に移動する負担がなく、前述の関節炎による痛みがあったり、寝たきりの場合でも脂汚れを落とすことが可能です。
また、水を使わないことで内臓疾患による健康リスクやシャンプー中にびっくりしてしまうということも防ぎます。
ドライシャンプーはわんちゃんへの負担を減らすという観点からはとても良いと言えるでしょう。

一方で、一般的なシャンプーはより洗浄力が高いことが特徴です。
ドライシャンプーは体への負担が少ないものの、拭き残しがあっても皮膚トラブルが起きないように界面活性剤の配合量が少なめです。
そのため、強い脂汚れや臭いは落としきれない可能性もあります。
例えば、泥などが全身に付着した場合は一般的なシャンプーのほうが洗浄効果は高いと言えます。
また、皮膚病を患っている場合は菌の繁殖を防ぐ必要があるため、ドライシャンプーよりも一般的なシャンプーを使用することが望ましいでしょう。
しかし、浴室への移動や水の使用などが伴うため、負担を軽減するには工夫が必要です。

前述の通り、シニアのわんちゃんは皮脂の分泌量が少ないため、一般的にはドライシャンプーでも洗浄力は十分だと考えられます。
そのため、高洗浄力が必要ではない場合はドライシャンプーが推奨されます。
しかし、体に不安がありつつも皮膚病もある…というケースもあるため、シャンプーを選ぶ際は獣医師にご相談ください。



ドライシャンプーは体への負担が少なく、シニアのわんちゃんにやさしいと言えるものの、使用する際ははいくつか留意点があります。

ドライシャンプーの使用方法や種類によって異なることは以前の記事で紹介しましたが、ここではシニアのわんちゃんに使用する際に健康や安全の観点から気を付けるポイントを説明します。

まず、使用する際に成分を確認しましょう。
前述の通り、シニアのわんちゃんは乾燥することで皮膚が敏感になっていたり、内臓疾患を抱えている事もあるため、使用するドライシャンプーの成分を獣医師に確認することが推奨されます。
なるべく汚れを落とすことができ、保湿効果があり、体内に入っても安全なものが望ましいでしょう。

また、頻度についても獣医師と相談しましょう。
ドライシャンプーは部分的な使用が可能であり、刺激も比較的低いため、一般的なシャンプーよりも頻繁に使用することが可能です。
しかし、犬によって皮膚状態は異なるため、わんちゃんに合った使用頻度を事前に相談することが重要です。

さらに、シャンプー後はわんちゃんの状態をよく観察することが望ましいです。
比較的刺激の低いドライシャンプーですが、わんちゃんの状態によっては赤みやかゆみが見られることもあります。
このような異常がみられた場合、だたちに使用をやめ、動物病院で診察することを強く推奨します。

上記を行うことで、ドライシャンプーをより安全に使用することが可能です。ご自宅のわんちゃんに合ったドライシャンプーを正しく使用し、脂汚れや臭いを落としましょう。



前述のドライシャンプーの留意点三つは、一般的なシャンプーを使用する場合についても同様です。
しかし、一般的なシャンプーの場合はそのうえでわんちゃんになるべく負担をかけずに行う工夫が必要となるため、追加で配慮するポイントがいくつかあります。
正しいシャンプーの手順を守ることは基本としたうえで、シニアのわんちゃんならではのシャンプーは下記の留意点があります。

まず、シャンプー中に楽な姿勢をとれるようにしましょう。
前述の通り、関節炎のある場合はシャンプー中に動くことが苦痛になることがあります。
わんちゃんをお湯を張った桶にいれるなど、なるべく姿勢を固定することで痛みを緩和することができます。

また、温度調節も大切です。
シャワーの際は、なるべく適温のお湯を使用するようにしましょう。
熱すぎない程度のお湯を使うことでわんちゃんを心地よくシャンプーをすることが可能です。
他にも、浴室と脱衣所の寒暖差が大きいとシャワーから出た際に体に負担がかかってしまうため、脱衣所が寒い場合はあらかじめ脱衣所を温かくしておくことが推奨されます。

さらに、わんちゃんが安心してシャンプーできる環境づくりが重要です。
前述の通り、視覚や聴覚が低下している場合は水への恐怖心が増してしまうことがあるため、シャンプー自体が難しいことがあります。
シャワーをする前に優しくなでたり、声をかけることで安心してもらいましょう。

シニアのわんちゃんに一般的なシャンプーを使用する場合は成分や使用頻度の確認などに加え、上記の配慮が必要です。
飼い主さんにかかる負担も大きいと言えるため、可能な限りはドライシャンプーで代替したり、洗い流しが必要な際はご家族やご友人と協力することが推奨されます。



シニアのわんちゃんは、関節の状態がよくなかったり、内臓疾患を抱えていたりするため、シャンプーの際はなるべく負担を少なくすることが望ましいです。
ドライシャンプーは水を使用せず、浴室へ移動する必要がないため、体への負担が少なく、日常ケアとして推奨されます。
しかし、状態に応じて一般的なシャンプーを使用する必要があるため、ご自宅のわんちゃんに合ったシャンプーを選び、適切なケアを行うことが重要です。

この記事の監修者

どうぶつ病院京都グループ 獣医師

山口大学農学部獣医学科を卒業後、10年以上にわたり動物病院で臨床経験を積んだ獣医師。超音波検査や循環器診療の専門研修を修了し、日本獣医循環器病学会員としても活動。これまで一頭一頭の健康と快適な生活を考えた診療を心がけ、現在はブログ執筆や監修を通して飼い主様への良質な知識のご提供にも取り組んでいます。

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