シャンプーと犬との相性
ご自宅のわんちゃんの健康維持において、適切なシャンプーの選択は非常に重要です。
しかし、ベストなシャンプーは犬種、健康状態、ライフスタイルなどによって異なるため、専門家との相談が不可欠です。
わんちゃんの皮膚環境を最適な状態に整えるため、シャンプーを選ぶ際は獣医師との相談を強く推奨します。
犬種や被毛の種類によって肌や毛の特性は異なります。
それに応じて適切なシャンプーが変わってくるため、シャンプーを選ぶ際はかかりつけの獣医師にアドバイスをもらった上で使用することが望ましいと考えられます。
また、獣医師は特定の病状に対応したシャンプーを推奨することがあります。
例えば皮膚感染症や寄生虫による皮膚トラブルがある場合、対応するシャンプーを正しく選ぶことでわんちゃんの皮膚状態を健康に保つことが可能となります。
獣医師は皮膚トラブルを防ぐためにもシャンプーケアの相談に応じたり、ご自宅のわんちゃんに合ったシャンプーを処方したりする存在です。
適切なアドバイスを受け、シャンプーを選択することでわんちゃんに健康と幸せがもたらされます。以下は獣医師とともにシャンプー選びをする際に重要な項目です。
- ・ シャンプーの安全性
- ・ 洗浄と刺激のバランス
- ・ シャンプーがもつ抗菌作用
- ・ シャンプーがもつ保湿作用
おうちのわんちゃんにぴったりのシャンプーを選ぶ基準についてご説明していきます。
シャンプーの安全性
わんちゃんのシャンプーを選ぶ際、安全性は重要なポイントになるでしょう。
刺激性が強いものは皮膚トラブルを引き起こすことがあるため、なるべく皮膚にやさしいシャンプーを使用することが推奨されます。
皮膚に優しいシャンプーを選ぶとき、界面活性剤が重要となります。
界面活性剤はシャンプーのメインとなる洗浄成分ですが、中には刺激が強いものもあり、わんちゃんによっては皮膚が荒れてしまう可能性があります。
そのため、可能な限り低刺激な界面活性剤を使用した製品を選ぶことが重要です。
しかし、低刺激の界面活性剤は一般的に洗浄力も低いため、多くの製品は刺激が強くても洗浄力の高い界面活性剤を配合しています。
そのため、シャンプーを選ぶ際は獣医師に相談し、刺激性を見極めることが肝要です。
安全性を考慮する際は配合成分も確認しましょう。
人工的な成分が必ずしも犬の肌に悪いとは限りませんが、聞きなじみのない成分が配合されている場合は調べてみたり、獣医師への相談をしたりすることで、わんちゃんの特性や健康状態に合った安全なシャンプーを選ぶことができます。
また、香料にも配慮が必要となります。
強い香料は嗅覚が鋭いわんちゃんにとってストレスになりうるため、できる限り無香料や香りが強すぎないものを選ぶことが推奨されます。
洗浄力と刺激のバランス
わんちゃんのシャンプーを選ぶ際には、洗浄力も重要な要素です。
皮脂を除去し、皮膚や被毛を清潔に保つことは臭いや皮膚炎を予防することに不可欠ですが、そのためには適度な洗浄力が必要となります。
特に脂っぽい肌の犬や外出する機会の多い犬は脂汚れが付着しやすいため、洗浄力の高いシャンプーを使用することが推奨されます。
しかし、その際は安全性を考慮することが重要です。
前述の通り、一般的には洗浄力の高いシャンプーは刺激の強い界面活性剤を使用しているため、高洗浄力を謳うシャンプーは過剰に油分を洗い流すことで乾燥したり、皮膚炎を引き起こす場合があります。
そのため、繰り返し高刺激・高洗浄のシャンプーを使用すると皮膚トラブルの原因となりかねません。
洗浄力を重視してシャンプーを選ぶ際は獣医師にアドバイスを求め、可能な限り刺激性を低いものを選び、用法を守って使用することを強く推奨されます。
シャンプーがもつ抗菌作用
抗菌作用の有無も非常に重要となります。
皮膚疾患やアレルギーによってかゆみや赤みがみられる場合、薬用シャンプーは効果的な解決策となる場合があります。
これらのシャンプーには、抗菌・殺菌成分が配合されており、細菌や真菌の繁殖を抑えることで皮膚の炎症やかゆみを和らげる効果が期待できます。
ただし、薬用シャンプーは安全性が確保されていない側面があります。
一般的なシャンプーと異なり、薬用シャンプーは殺菌を目的としており、刺激性が比較的に高いと言えます。
そのため、薬用シャンプーは一定期間のみの使用で、症状が緩和次第他のシャンプーに切り替えることが一般的です。
使用する際は皮膚疾患やアレルギーの診断を受け、必ず獣医師に相談した上で使用期間や頻度を守るようお願いします。
このように薬用シャンプーは治療目的で使用するため、特に皮膚トラブルがない場合は一般的なシャンプーをご使用ください。
シャンプーがもつ保湿作用
シャンプーを選ぶ際には、保湿成分の有無も重要なポイントとなります。
犬の皮膚は人間よりも敏感であり、乾燥しやすいため、保湿作用のあるシャンプーを選ぶことが大切です。
保湿成分が配合されているシャンプーは、犬の肌を適切に保護し、水分を逃さないバリアを形成します。
特に乾燥しやすい季節や敏感な皮膚を持つ犬種にとって、保湿成分は必要なケアとなります。
保湿作用のあるシャンプーを使用することで皮膚の乾燥が緩和され、健康な皮膚状態を得ることが期待できます。
また、別々に行うことも多いシャンプーケアと保湿ケアを同時に行えることにより、わんちゃんにとっての負担や飼い主にとっての手間を減らすことができます。
保湿成分が含まれたシャンプーを選ぶことで、わんちゃんの健康な皮膚状態を維持し、乾燥による皮膚トラブルを予防・緩和することが可能となります。
シャンプーを使った皮膚被毛ケア
シャンプーによってご自宅のわんちゃんの負担や洗う手間が異なるため、可能な限り負担が少なく、容易に洗い上げることでできるものが推奨されます。
外傷があったり、身体を動かすのが難しかったりするシニアのわんちゃんはシャンプーを水ですすぐことが負担になる場合があるため、洗い流す代わりにタオルで拭くことで洗浄が可能なドライシャンプーが向いていると言えるでしょう。
また、全身ではなく身体の一部を洗いたい場合にもドライシャンプーは適しています。散歩後にお腹周りのみを洗いたいなどの場合は、ドライシャンプーでより手軽に洗うことが可能です。
さらに、泡ポンプを使用しているものも洗う手間を省くことが可能です。
シャンプーの中には自分で泡立てて使用するものもありますが、泡ポンプ型のシャンプーはそのままわんちゃんにつけて使用し、洗い上げることが可能です。
このように、シャンプーによって洗う際の負担や手間が変わるため、わんちゃんと飼い主さんともに、不便のないシャンプーを選びましょう。
まとめ
皮膚状態を整え、健康を維持するにはわんちゃんと相性の合うシャンプーを使用することが重要です。かかりつけの獣医師に相談し、安全性や洗浄力などを踏まえながら適切なシャンプーを選び、ベストなシャンプーケアを実現しましょう。