みなさんは、愛犬の皮膚にかさぶたを見つけたことはありますか?
愛犬の皮膚にかさぶたを見つけると、どうして出来たのか、このまま放っておいて大丈夫なのか心配になるかもしれません。
実は、かさぶたには様々な原因があり、状態によっては獣医師の診察が必要なケースもあります。
今回は、犬のかさぶたの原因、注意が必要なケース5点、そして家庭や動物病院でのケア方法などをご紹介します。
愛犬の皮膚の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
犬のかさぶたとは?基礎知識とケガによるかさぶたについて

かさぶたの基本知識
かさぶたとは、皮膚に傷ができたときに身体を守るために自然にできる保護膜のことです。
皮膚に傷ができると、まず出血が起こります。
その後、血液中の「血小板」という成分が集まり、傷口をふさごうとします。
この固まった血液が乾燥して硬くなったものが「かさぶた」です。
かさぶたができることで、外からの細菌の侵入を防ぎ、傷が治っていきます。
しかし、かさぶたの状態や原因によっては、獣医師による治療が必要な場合もあります。
まずは、犬のかさぶたがどのような原因で起こるのかを見ていきましょう。
ケガによるかさぶた
かさぶたが起きる原因としてはまずケガが挙げられます。
主にひっかき傷やかみ傷によってかさぶたができることが多いです。
- ・引っかき傷
わんちゃんが自分の爪で引っかいたり、散歩中にケガをしたりすることで、かさぶたができることがあります。
例えば、お散歩中に藪の中を通ったり、草むらで遊んだりした後に小さな引っかき傷ができることは珍しくありません。
これらは通常、小さなかさぶたとなって自然に治ります。
- ・かみ傷
他のわんちゃんにかまれたり、虫刺されなどによる痒みで自分の体をかむことでかさぶたができることもあります。
かみ傷の場合は細菌感染のリスクも高いため、特に注意が必要です。
かさぶたの周りが赤みや熱をもったり、膿が出たりすることもあります。
こういった症状が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
皮膚疾患によるかさぶた|原因となる主な病気

かさぶたの原因として多いのはケガですが、皮膚疾患によってかさぶたができることもあります。
放置すると症状が進んでしまうこともあるため、獣医師の診察を受けることが重要です。
かさぶたが見られる皮膚疾患の例としては下記が挙げられます。
膿皮症
膿皮症は犬の皮膚の細菌が増殖することで起こる皮膚炎です。
膿がたまったできもの(膿ほう)ができたり、赤い発疹や脱毛、フケなどがみられますが、膿ほうが破れて膿が固まり、かさぶたが形成されることがあります。
アレルギー性皮膚炎
食べ物やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンによって皮膚に炎症やかゆみが引き起こされる病気です。
わんちゃんが掻きむしって出血してしまうことで、かさぶたができることも少なくありません。
マラセチア皮膚炎
マラセチア皮膚炎は、皮膚の常在菌であるマラセチア(カビの1種)が過剰に増殖し、主にベタつき、強いかゆみ、赤み、フケ、独特の臭いなどがみられる皮膚疾患です。
アレルギー性皮膚炎と同様に、わんちゃんが皮膚を掻くことによって出血し、かさぶたができることがあります。
ニキビダニ症
犬のニキビダニ症(毛包虫症)でも、かさぶたができることがあります。
症状が進行した場合や二次的な細菌感染が加わった場合、皮膚に強い炎症や出血が見られ、かさぶたができやすくなります。
皮膚がん
犬の皮膚がんもかさぶたの原因となります。
かゆみはそれほど強くない場合が多いものの、皮膚がんによるできものは大きくなると割れて出血し、かさぶたになることもあります。
【要注意】獣医師の診察が必要な犬のかさぶた症状5つ

通常のかさぶたは時間とともに自然に剥がれ落ち、傷口が治っていくため、特に心配する必要はありません。
しかし、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
かさぶたが治らない、または大きくなっている
改善が見られない、または範囲が広がっているかさぶたは、感染症などの皮膚トラブルのサインかもしれません。
特に、初めは小さかったかさぶたが急に大きくなった場合は要注意です。
膿ができる
かさぶたから膿が出ている、または黄色の分泌物が見られる場合は、細菌感染の可能性があります。
このような場合、抗生物質などによる治療が必要になることが多いです。
かゆみが強い
わんちゃんが異常に気にして掻いたり舐めたりしている場合は、アレルギーや感染症かもしれません。
掻くことでさらに症状が悪化する悪循環に陥りやすいため、早期の対応が重要です。
フケや脱毛などの症状が見られる
かさぶただけでなく、フケの増加、脱毛、皮膚の赤み・腫れなどが見られる場合は、皮膚疾患の可能性が高いといえます。
また、あわせて元気や食欲が落ちているなどの全身症状が見られる場合は重症化しやすいため、注意が必要です。
かさぶたにしこりがある
かさぶたの下にしこりが感じられる場合は、腫瘍性の疾患の可能性があります。
特に、他の部位に広がる悪性腫瘍は全身の不調につながる可能性もあるため、早期の受診が重要です。
上記に当てはまった場合、ケガによる軽いかさぶたではなく皮膚疾患が潜んでいる可能性があるため、獣医師の診察を受けることが推奨です。
犬のかさぶたのケア方法|おうちと動物病院でできるケア

かさぶたを見つけた場合、まずはかさぶたを保護し、必要あれば獣医師による治療を行いましょう。
かさぶたを保護する方法
かさぶたができた際は、原因に応じたケアが大切です。
まず、かさぶたを無理にはがさないようにしましょう。
前述のとおり、かさぶたは傷口を保護し、皮膚状態を回復させるものです。
無理にはがすと傷の回復が遅れたり、皮膚トラブルが悪化してしまうことがあります。
また、わんちゃんがかさぶたを舐めたり掻いたりすると、治りが遅くなったり感染したりする恐れがあります。
エリザベスカラーや包帯を使用し、かさぶたを保護しましょう。
獣医師による治療
かさぶたがアレルギーや皮膚疾患の場合は獣医師による治療が必要です。
かさぶた以外の症状があった人間用の消毒液などは使用せず、
診察では皮膚の状態を確認し、必要に応じて皮膚の検査を行います。
細菌や真菌が原因の場合は、外用薬や内服薬などで治療を進めます。
アレルギーが原因であれば、アレルゲンの特定と除去、またはアレルギー治療薬が使われることもあります。
かゆみが強い場合には、ステロイドや抗ヒスタミン剤が処方されることもあります。
犬のケガや皮膚疾患を防ぐ4つの日常ケア

かさぶたを引き起こすケガや皮膚疾患は愛犬の健康を損なう可能性があります。
そのため、かさぶたがなかったり、治療済みの場合はなるべく日頃のケアでこれらを予防することが大切です。
定期的な診断
日頃から愛犬の様子をチェックすることにあわせて、定期的に獣医師の検診を受けることが大切です。
皮膚の異常を早期に発見できるほか、適切なアドバイスをもらうことで、かさぶたの原因となる病気の予防にもつながります。
皮膚と被毛のケア|シャンプーとヘアミスト
皮膚と被毛のケアは、愛犬の健康を守るうえで欠かせません。
汚れや毛玉はかゆみや炎症などの原因になることがあります。
そのため、犬専用の低刺激シャンプーやヘアミストを使い、定期的なシャンプーやブラッシングで清潔を保つことが大切です。
健康を守る栄養管理|かさぶたを防ぐ食事とは?
バランスのとれた食事をすることで、皮膚の健康を維持しやすくなります。
オメガ3脂肪酸やビタミンが豊富なフードがおすすめです。
また、アレルギー体質の場合はアレルゲンを含む食べ物は避けるようにしましょう。
生活環境を整える
生活環境を清潔に保つことも重要です。
ベッドや毛布などの寝具、室内の床やカーペットには、ホコリやダニ、抜け毛がたまりやすいため、こまめな掃除を行い、空気の乾燥や湿度の変化にも注意しましょう。
また、室内では怪我をしやすい場所や鋭利な物を片付けるなど、ケガの原因を取り除くことも大切です。
まとめ:適切なケアと治療で愛犬を健康に
わんちゃんのかさぶたは、ちょっとした引っかき傷から皮膚がんまで、様々な原因で生じる可能性があります。
主に以下のポイントが重要です。
- ・かさぶたは清潔に保ち、舐めさせないよう工夫する
- ・膿が出ている、しこりがあるなどの場合は獣医師に相談を
- ・日頃からのケアでケガや皮膚疾患を予防することが大切
自然に治ることもありますが、かさぶたが治らない、膿が出る、強いかゆみやしこりがある場合は獣医師の診察が必要です。
皮膚の状態に合わせて日々のケアや適切な治療を行い、愛犬の健康を守りましょう。

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