
愛犬のシャンプーをする際、「なかなか泡立たないな…」と感じたことはありませんか?
人間用のシャンプーと違って、犬用シャンプーは泡立ちにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
適切な泡立ちは汚れを効果的に落とし、皮膚への摩擦を減らすために非常に重要です。
今回は、わんちゃんのシャンプーにおける泡立ちの重要性、泡立ちにくい原因と上手に泡立てるコツやなどについて解説いたします。
目次
そもそも「泡立ち」ってなに?界面活性剤の仕組みを解説

シャンプーの泡立ちの秘密は、「界面活性剤」という成分にあります。
この成分がどのように泡を作って汚れを落とすのか、そしてその刺激性について解説します。
界面活性剤とは?泡を作るメカニズム
界面活性剤は、水に溶けやすい要素と、油に溶けやすい要素を持ち合わせています。
この特殊な構造によって、本来は混ざりあわない水と油が混ぜ合わさり、脂汚れを水と一緒に洗い流すことが可能です。
シャンプーの泡は、この界面活性剤が水と空気の間に膜を作り、空気を液体の中に閉じ込めた状態です。
この泡の膜が汚れを包み込む働きをします。
そのため、一般的には界面活性剤は泡を作っているだけでなく、シャンプーのメインとなる洗浄成分だといえるでしょう。
様々な界面活性剤の種類と刺激性
界面活性剤には様々な種類があり、それぞれ洗浄力、刺激性、泡立ちのよさなどにおいて異なります。
例えば、硫酸系は洗浄力と泡立ちが強いですが皮膚への刺激も強め、アミノ酸系は洗浄力と泡立ちはやや控えめですが刺激が少ない傾向があります。
必ずしもではありませんが、一般的に洗浄力が高かったり、泡立ちが良いシャンプーは皮膚への刺激性も高いことが多いため、シャンプーを選ぶ際は注意が必要です。
泡立ちが重要な理由

シャンプーを泡立てることは、皮膚への刺激軽減やすすぎ残しの防止などのメリットがあります。
シャンプーの泡は、汚れを包み込んで浮かせる役割があります。
皮膚や被毛への負担を減らす
犬の皮膚は人間の約1/3程度の薄さしかなく、非常にデリケートです。
シャンプー液をそのまま皮膚に塗布すると、濃度が高すぎて皮膚への刺激となることがあります。
泡立てることでシャンプーの洗浄成分が均等に広がり、原液による刺激を防ぎます。
また、洗う際に泡が手と皮膚の間の摩擦を軽減されることによっても皮膚の負担を減らすことも可能です。
すすぎ残し防止で皮膚トラブル回避
適切に泡立てたシャンプーは、一般的にすすぎやすくなる傾向があります。
前述のとおり、泡立ちのいいシャンプーは皮膚や被毛に広がりやすいため、シャンプー液が特定の部分に固まって流しにくくなることが少なくなります。
また、泡立っているとシャンプー液が見やすくなるため、すすぎ残しの有無が判断しやすくなります。
犬のシャンプーが泡立たない5つの原因

液体のシャンプーを使用している場合、泡立たせようとしても思うように泡立たないことがあります。
シャンプーの泡立ちが悪くなる原因としては下記が考えられます。
原液を直接つけている・量が足りない
シャンプーの原液をそのまま体につけたり、体の大きさに対してシャンプーの量が少なすぎたりすると泡立ちにくくなります。
被毛が十分に濡れていない
被毛が十分に濡れていないと、シャンプーがうまく浸透せず、泡立ちが悪くなります。
特に、撥水性の高い被毛を持つ犬種(ラブラドールレトリバーなど)では注意が必要です。
汚れや皮脂が多い
皮脂や汚れが多すぎると、シャンプーの成分が汚れとのみ反応してしまうため、泡立ちが悪くなります。
特に外遊びをすることが多かったり、シャンプーの頻度が少ない場合は汚れによって泡立ちが妨げられている可能性があります。
硬水を使用している
硬水を使用すると、シャンプーが泡立ちにくくなります。
水に含まれるミネラル成分がシャンプーの泡立ちを妨げることがあります。
不適切な水温
適度な水温(37℃前後)でないと泡立ちにくくなることがあります。
シャンプーの種類
シャンプーの種類によっても、泡立ちにくいものがあります。
中でも、低刺激タイプや薬用シャンプーは泡立ちが少ない傾向があります。
今日からできる!泡立ちを改善する5つのコツ

泡立ちをよくするうえで重要な準備やシャンプーの使用方法としては下記5点が挙げられます。
1. シャンプー前のブラッシング
まずはシャンプー前にしっかりとブラッシングをして、抜け毛や絡まりを取り除きましょう。
前述のとおり、絡まった毛や残った抜け毛は泡立ちを妨げる原因になります。
また、犬種に合ったブラシを選ぶことが大切です。
換毛期があるダブルコートの犬種や長毛種には、毛玉やアンダーコートを取り除けるスリッカーブラシがおすすめです。
一方、短毛種にはゴム製のブラシなどがおすすめです。
2. 被毛をしっかり濡らす
シャンプー前に、被毛を根元までしっかり濡らすことが重要です。
乾いた状態や半乾きの状態では、シャンプーが水と混ざりにくく、泡立ちが悪くなります。
また、泥汚れなどがある場合は、シャンプー前にぬるま湯でざっと洗い流しておきましょう。
汚れを取り除いておくことで、シャンプーの泡立ちが良くなります。
3. 泡立ちやすく低刺激なシャンプーを選ぶ
適切なシャンプー製品を使うことも重要です。
泡立ちがよくなかったり、泡がすぐに消えてしまう場合は汚れを落としにくくなってしまいます。
泡立ちが良いシャンプーや泡ポンプ式のシャンプー製品を選ぶことが推奨です。
中でも、泡ポンプ式のシャンプーの場合は泡立てる必要がないため、シャンプーの時間短縮や負担軽減につながります。
これに加え、適度な洗浄力があり、低刺激のシャンプーを使用するとわんちゃんの皮膚を健康に保ちやすくなります。
4. 洗面器やスポンジで事前に泡立てる
液体のシャンプーを使う場合、シャンプー液を洗面器に入れてシャワーを強めに当てたり、水を加えた状態で手のひらで馴染ませることで泡立ちやすくなります。
これによって空気が適度に入り込み、泡を作ることができます。
また、スポンジや泡立てネットを使い、泡を揉みこむことによってさらに泡立ちを良くすることも可能です。
5. シャンプーの希釈とぬるま湯で時短&負担軽減
希釈してから使用するシャンプーの場合、製品に記載されている希釈率を守りましょう。
原液のまま使ったり、反対に薄めすぎたりすると泡立ちにくくなります。
また、前述のとおり37℃程度のぬるま湯で希釈すると、泡立ちが良くなりやすいです。
上記を踏まえることでシャンプーの泡立ちがよくなることが期待できます。
まとめ|シャンプーを泡立てて愛犬をキレイに
今回は、わんちゃんのシャンプーの泡立ちについてご紹介しました。
最後にポイントをおさらいしましょう。
- ・適切な泡立ちは、皮膚への負担軽減やすすぎ残し防止につながる
- ・ブラッシングをしっかりおこなう
- ・シャンプー前にぬるま湯で流す
- ・泡立ちがよく、かつ低刺激のシャンプーが推奨
- ・洗面器やスポンジなどを使用して泡立てる
- ・シャンプーは指定の割合で希釈
- ・泡ポンプ式のシャンプーも便利
泡立ちの良いシャンプーは、皮膚トラブルを予防するうえでも重要です。
今回ご紹介したポイントを参考に、愛犬と健康で快適なシャンプーを行いましょう。

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