
愛犬をきれいにシャンプーした後、「なんだか変な臭いがする…」と感じたことはありませんか?
せっかく丁寧に洗ったのに、シャンプー直後から独特の臭いがしたり、数日経つとすぐに臭くなってしまったりすることがあります。
犬のシャンプー後の臭いには、さまざまな原因があります。
今回は、シャンプー後に犬から臭いがする主な3つの原因とその対処法についてご説明します。
目次
臭いが残る原因

「せっかく洗ったのに、なぜ臭うの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
シャンプー後の臭いには、主に3つの原因が考えられます。
まずはその原因を探っていきましょう。
1. 不適切なシャンプーケア
生乾きやすすぎ残しなど、不適切なシャンプーケアは臭いを発生させる原因となります。
- ・生乾き
被毛が十分に乾いていないと、湿った状態が続くことで雑菌が繁殖し、独特の臭いを発生させます。
特に、ゴールデンレトリバーやシベリアンハスキーなどのダブルコートの犬種は、表面は乾いていても下の毛が湿ったままになっていることがよくあります。
また、パグやブルドッグなど皮膚にシワがある犬種はシワの間に湿気が残りやすく、そこから臭いが発生することがあります。
- ・すすぎ残し
シャンプーが十分にすすげていないと、残った成分が皮膚や被毛に残り、時間の経過とともに臭いを発することもあります。
特に被毛が多い犬種では、すすぎ残しが起きやすいので注意が必要です。
- ・汚れが残っている
シャンプーが全身に馴染んでなかったり、製品の洗浄力が高くないことで十分に汚れを落としきれていない場合、臭いも残ってしまうことがあります。
2. 皮膚トラブル
- ・皮膚炎や感染症
皮膚炎や細菌・真菌感染症が臭いの原因になっていることがあります。
特定の菌が過剰に繁殖し、シャンプーで抑えきれていない場合は臭いが発生しやすいです。
皮膚が赤くなっている、体をよくかくなどの症状が見られたら、まずは獣医師に相談してみましょう。
- ・ホルモンバランス
ホルモンバランスの変化により皮脂の分泌が増え、結果的に臭いが発生することもあります。
特に、避妊・去勢手術を受けていない犬や、シニアのわんちゃんに多く見られます。
3. 特定の部位からの臭い
耳、肉球、口など、特定の部位が汚れている場合もにおいが残る原因となります。
- ・耳の湿気や汚れ
耳の中に湿気や汚れがたまると、強い臭いを発することがあります。
特に垂れ耳の犬種は耳が蒸れやすく、外耳炎や中耳炎などにもなりやすい傾向があります。
- ・肉球の湿気や汚れ
耳の中と同様に、肉球の間に汚れや湿気が残って臭いが発することがあります。
特に散歩後は地面の汚れが肉球に付着することで臭いが生じやすいです。
- ・口腔トラブル
シャンプーとは関係ない部位からの臭いであることも考えられます。
歯垢や歯石、歯肉炎などの口腔内のトラブルが臭いの原因になることもあります。
歯周病の場合は、症状が進行すると歯茎が腫れ、歯の健康や食事に影響が出ることも考えられます。
このように、シャンプーをした後も臭いが残る理由は多岐にわたります。
次は、シャンプーケアによる臭いについて詳しく見ていきましょう。
適切なシャンプーケア

シャンプー後に被毛が十分に乾いていなかったり、すすぎ残しがあったりすると、臭いを発生させてしまいます。
下記を意識して臭いを防ぎましょう。
生乾きを防ぐ
- ・まずはタオルドライ
タオルで拭く際は、強くこすらず、優しく押さえるようにして水分を吸収させましょう。
被毛を傷めないよう、擦る動作は避けてください。
また、マイクロファイバータオルなど、吸水性の高いタオルを使うことで、ドライヤーの前段階で効率よく水分を取り除くことができます。
- ・適切にドライヤーを使う
犬の皮膚は薄く、ドライヤーの温度が高すぎると刺激になってしまうため、こまめに冷風を使いながらしっかりと乾かしましょう。
また、毛を分けながら根元からドライヤーを当てることでより乾かしやすくなります。
- ・乾きにくい部位をしっかりケア
お腹周りと足や脇の間など、部位は毛が密集しており、湿気が残りやすい場所です。
シャンプー後は、丁寧にタオルドライし、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。
また、パグやシャーペイなどの皮膚にシワのある犬種は、シワの間の湿気に注意が必要です。
清潔なタオルの端などを使って、シワの隙間もしっかり拭き取りましょう。
汚れを落としきる
- ・洗浄力のあるシャンプー
皮膚の状態に合った洗浄力のあるシャンプーを選びましょう。
特に、泥などの落ちにくい汚れが付いたときはしっかり洗浄できるシャンプーを選ぶことが大切です。
ただし、洗浄力が強すぎると刺激になったり、必要な皮脂まで落としてしまうので注意が必要です。
- ・シャンプーをしっかりなじませる
首回り、背中、お腹、脚、尻尾の付け根など、体全体にムラなくシャンプーを行き渡らせることが大切です。
足回りなど、特に汚れやすい部位は念入りに洗いましょう。
また、液体のシャンプーを使う場合は手のひらでしっかり泡立ててから使用しましょう。
泡立ちが良いほど汚れを包み込み、効率よく洗い落とすことが可能です。
すすぎ残しを防ぐ
- ・頭から順番にすすぐ
シャンプーを馴染ませるときとは反対に、流すときは頭から下に向かって順番にすすぐことでシャンプー液を効率的に落としやすくなります。
わんちゃんの鼻や耳に水が入らないように注意しながら、流した水が透明になるまですすぎましょう。
- ・シャワーヘッドを近づける
流すときはシャワーヘッドをできるだけ体に近づけてすすぎましょう。
近づけることで水圧を強くせずに汚れを落とすことが可能なため、愛犬への刺激やストレスを軽減することができます。
皮膚トラブルによる臭い

皮膚トラブルによって臭いが発生している場合、獣医師による治療と日常ケアを並行して行うことが重要です。
獣医師に相談
臭いが続く場合や、皮膚に赤み・かゆみ・フケ・脱毛などの異常が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
皮膚の検査などを通して細菌、真菌(マラセチアなど)、寄生虫(ニキビダニなど)、アレルギーなどによる皮膚トラブルを特定し、原因に合わせて治療を行う場合もあります。
一般的には以下のような処方が行われることが多いです。
- ・薬用シャンプー:抗菌・抗真菌作用のある成分を配合したもの
- ・外用薬:炎症を抑えるステロイド剤や抗生物質、抗真菌剤など
- ・内服薬:重度の感染症やアレルギーの場合に処方される鎮痒剤、ステロイド剤、抗生物質や抗ヒスタミン剤
獣医師の指示に従って治療を続けることで、皮膚の状態が改善し、臭いも軽減することが期待できます。
定期的な再診で経過を確認することで再発も予防しやすくなるでしょう。
日常ケア
獣医師の治療と並行して、家庭での日常ケアも重要です。
主に以下のポイントを心がけましょう。
- ・定期的なボディチェック
定期的に愛犬の皮膚と被毛の状態を観察しましょう。
特に被毛の密集した部分や肉球などは念入りに確認します。
赤みなどの症状を早期に発見して治療を開始することで改善しやすくなります。
- ・用法用量を守る
処方されたシャンプーや薬は指示通りの頻度と方法で使用することが重要です。
例えば、薬用シャンプーは皮膚トラブルの原因菌を抑える効果がありますが、使用方法を誤るとかえって皮膚トラブルを引き起こすことがあるため、使用の際は獣医師の指示に従いましょう。
- ・ブラッシングとシャンプー
皮膚トラブルの再発を防ぐためにも、定期的なブラッシングで被毛に絡まりをとったり、シャンプーで汚れを落とすことも重要です。
このように、獣医師のケアに合わせて日常ケアを行うことが愛犬の健康に繋がります。
ご自宅では日常ケアを行いつつ、皮膚の状態に変化があった場合は速やかに獣医師に相談しましょう。
臭いが気になる部位のケア

臭いが気になる部位によっては、それぞれに合ったケアが必要なこともあります。
ここでは、よく臭いが発生する部位とそのケア方法についてご紹介します。
耳のケア
耳は湿気がこもりやすく、特に垂れ耳の犬種では臭いの原因になりやすい部位です。
定期的に専用のイヤークリーナーを使用して耳を清潔に保ちましょう。
また、耳に湿気がたまらないようにすることも大切です。
シャンプー中は耳に水が入らないようにすすぎ、シャンプーの後はタオルでしっかり拭くようにしましょう。
このような日常ケアをする際は同時に耳の状態をチェックするのもおすすめです。
赤みや臭い、分泌物が増えているようであれば、獣医師に相談することが大切です。
肉球
肉球の間には汚れや細菌が溜まりやすく、炎症や臭いを引き起こすことがあります。
散歩から帰ってきたら、ペットシートやドライシャンプーで足回りを清潔にしましょう。
また、シャンプー後は肉球が乾燥しがちです。
専用の肉球クリームを使用して保湿することで、乾燥によるひび割れや臭いを防ぐことができます。
口腔ケア
歯垢や歯石は臭いのもとなるため、定期的な歯磨きや歯科用おやつの活用で口腔内を清潔に保ちましょう。
歯磨きはなるべく毎日行い、その際は必ず犬用の歯磨き粉を使うことが重要です。
また、口腔衛生が悪化すると、歯周病や虫歯が進行し、その細菌が広がることで心臓病や腎臓病などを引き起こすことがあるため、定期的な口腔ケアは全身の健康を守ることにもつながります。
慣れないうちは犬用の歯磨きシートや指サックを使用し、口腔ケアを習慣として取り入れることが大切です。
まとめ
シャンプー後でも残ってしまうわんちゃんの臭いには、さまざまな原因があります。
原因に合わせて適切な対策を講じることで、愛犬をいつも清潔で快適な状態に保つことができます。
ここまでのポイントを振り返ってみましょう。
- ・シャンプー後は完全に乾かす
- ・すすぎは徹底的に行う
- ・皮膚トラブルは獣医師の治療と日常ケアで対処
- ・部位に合わせてケアを行う
これらのポイントを押さえることで、シャンプー後の嫌な臭いを防ぎ、愛犬との触れ合いをより快適なものにすることができるでしょう。

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