【獣医師監修】愛犬の指の間の赤み|趾間皮膚炎の原因と対策4選


愛犬の指の間が赤くなっている、舐めている、臭いがする…。
このような症状でお困りではありませんか?
これらは「趾間皮膚炎(しかんひふえん)」という症状かもしれません。趾間皮膚炎は、放っておくと重症化する可能性がある皮膚トラブルですが、日々のシャンプーなどの適切なケアで予防や改善が可能です。
今回は、趾間皮膚炎の概要、その主な原因4つとそれぞれの対処法、そして趾間皮膚炎を予防する日常ケアについてご説明いたします。


自分の足をなめている犬


趾間皮膚炎は、犬の肉球や指の間の皮膚に起こる炎症のことです。
特に皮膚が蒸れやすくなる梅雨や夏場に多く見られる皮膚トラブルで、以下のような症状が特徴です。

  • ・指の間が赤くなる

肉球や指の皮膚が赤くなり、腫れることもあります。
この部分は皮膚が柔らかく、また湿気がこもりやすいため、炎症を起こしやすい部位です。
また、肉球の皮膚は特に薄く、外部からの刺激を受けやすい構造になっているため、二次感染などのリスクにも注意が必要です。

  • ・かゆみ

炎症が起きることで愛犬がかゆみを感じることがあります。
これによって頻繁に足を舐めるようになることがありますが、 唾液に含まれる細菌が付着したり、皮膚が湿った状態が続くことで、細菌の増殖を促進してしまいます。

  • ・悪臭

細菌が増殖することで、肉球や指先から独特の臭いが発生します。
健康な時には見られない酸っぱい臭いがする場合は細菌感染が進行している可能性があります。

肉球は一部被毛で覆われているため、赤みなどの趾間皮膚炎の症状は気づきにくいときがあります。
しかし、早期に適切な治療をしないと炎症が悪化してしまうことがあるため、上記の傾向が見られたら早めに獣医師に相談することを推奨します。


犬の肉球


趾間皮膚炎の主な原因としては以下のようなものがあります。


散歩中に異物を踏むことなどによる足のケガから趾間皮膚炎を発症することがあります。

特に下記の場所を歩く際は注意が必要です。

  • ・砂利道
  • ・夏場の熱くなったアスファルト
  • ・ガラスやとがったものが落ちているとがったものが落ちている道


これらの場所では目に見えない小さな傷ができやすく、そこから細菌が入り込んで炎症を起こることも珍しくありません。


主に下記の感染により、趾間皮膚炎を発症することがあります。

  • ・細菌感染
  • ・真菌感染(カビ)
  • ・寄生虫


細菌、真菌、寄生虫の中には湿った場所を好むものが多く、蒸れやすい指の間で繁殖しやすいです。
これらによる皮膚トラブルは進行するとフケや脱毛などの症状を引き起こすことがあるため、獣医師による治療が必要となります。


アレルゲンが指の間の皮膚に付着したり、体内に入ることで炎症を引き起こすことがあります。
主にアレルゲンとなり得るものとしては、花粉やノミ・ダニ、食べ物などが挙げられます。

散歩後によく足をなめているなど、特定の状況で症状が悪化している場合は要注意です。

アレルギーは放置すると炎症が全身に広がったり、消化器の不調が引き起こされてしまうことがあるため、なるべく早期の対処が大切です。


愛犬がストレスを感じると、頻繁に手足をなめることがあります。

ストレスを感じやすい状況としては下記が挙げられます。

  • ・引っ越し
  • ・長期の留守番
  • ・家族構成の変化
  • ・運動不足


日々のストレスによって趾間皮膚炎が起きている場合、改善するためには皮膚の治療だけではなく、生活習慣の見直しが重要です。


エリザベスカラーを付けている犬


趾間皮膚炎の治療は、原因によって異なります。
ここでは、原因別の治療法をご紹介します。

どのような場合でも適切なケアや経過観察が必要なため、獣医師のもとで治療を行うことが重要です。


ケガによる趾間皮膚炎は患部を清潔にし、必要に応じて追加で処置を行います。

ぬるま湯や食塩を電気分解したAP水で洗って消毒した後、抗炎症剤や鎮痛剤、重度の場合は抗生物質などを使用することが一般的です。
傷口をなめることを防ぐため、エリザベスカラーを使用することもあります。
また、治療中の散歩については獣医師の判断に従うようにしましょう。


感染症による趾間皮膚炎は感染症の原因となる菌や物質に対処します。
感染症に合わせて外用薬の軟膏や駆虫薬の投薬を使用し、重度の場合は内服薬を使用することで趾間皮膚炎を緩和します。

また、シャンプーケアも有効な治療法です。
用量・用法を守りながら獣医師から処方されたシャンプーを使用することで、原因菌やアレルゲンの洗浄を行い、症状が改善することが期待できます。


アレルギーによる趾間皮膚炎は、環境中のアレルゲン(花粉、ハウスダストなど)や原因となる食物を特定し、それを回避することが治療方針となります。
アレルギーの特定は容易ではありませんが、環境アレルギーの場合は室内の環境を整えたり、食物アレルギーの場合は日々の食事管理を通してアレルギー反応を抑えることが可能です。


ストレスによって愛犬が手足をなめることが原因と考えられる場合、環境や生活習慣を変えてみることが重要です。
散歩などによって日々運動する機会を与えたり、一緒に遊ぶ時間を確保したりすることでストレス解消ができるかもしれません。

このように、趾間皮膚炎は原因に合った治療を行うことで症状の緩和や回復が見込めます。
症状が見られたらなるべく早く獣医師に相談し、治療を開始しましょう。


獣医に前足をチェックされている犬


趾間皮膚炎を予防したり、悪化したりすることを防ぐには、日々のケアが重要です。
特に梅雨や夏は下記の日常ケアを徹底して行いましょう。


散歩から帰ってきたら、ペットシートやドライシャンプーで足を洗いましょう。
特に雨の日や湿度の高い日、泥が付いたときはしっかり洗うことが大切です。

また、日々のシャンプーケアも大切です。
愛犬を定期的に洗浄し、細菌や真菌、アレルゲンなどを洗い流すことで趾間皮膚炎だけでなく、様々な皮膚疾患の予防や緩和が可能となります。

日常的に手足の状態を確認することも効果的です。
定期的に肉球をチェックし、赤みや腫れ、傷などの有無を見ることで趾間皮膚炎の早期発見・早期治療がしやすくなるでしょう。


愛犬が普段生活している場所の環境管理も趾間皮膚炎の予防・緩和につながります。
前述のとおり、梅雨と夏場は趾間皮膚炎が起きやすいため、室内に除湿器を設置したり、エアコンで湿度を調整することが有効です。
また、室内のダニやホコリなどがアレルゲンとなり得るため、床や寝具の定期的な清掃も大切です。


獣医師による定期的な健康診断を受診することも重要です。

皮膚状態を確認してもらうことで、皮膚トラブルの症状が見られた場合は治療を開始することができます。

特に、趾間皮膚炎にかかったことがあったり、ほかの皮膚疾患を持っている場合は趾間皮膚炎になりやすかったり、なった際に症状の進行が早いことがあるため、獣医師の診察をしっかり受けることが大切です。

また、健康診断でなくても愛犬の健康状態が心配なときは獣医師にご相談ください。



愛犬の肉球や指の間に炎症が見られる場合は、原因に応じた適切な治療が重要です。
感染性の趾間皮膚炎は薬やシャンプーなどによる治療、ストレス性の趾間皮膚炎は環境や生活習慣の改善などといったように、症状が見られたら獣医師に相談し、愛犬の状態にあった治療を開始することが回復につながります。

また、日常ケアも趾間皮膚炎の予防や緩和に欠かせません。シャンプーや足ふきなどのお手入れ、除湿などの環境管理を通して愛犬の健康を守りましょう。気になる症状があれば、早めに獣医師に相談することが大切です。
適切な治療で、愛犬が快適な毎日を送れるようサポートしてあげてくださいね。





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