愛犬のために知っておきたい!シャンプーのよくある5つの誤解


愛犬をケアするのに欠かせないシャンプー。
清潔に保つために重要な作業ですが、実は誤解されやすい点が数多くあります。
「毎日シャンプーすればよりきれいになる」「皮膚疾患があるときは絶対にシャンプーをしてはいけない」などの間違った情報が、不適切なシャンプーケアにつながり、愛犬の皮膚トラブルを引き起こしたり、悪化させる原因になることもあるのです。

本記事では、犬のシャンプーに関する5つのよくある誤解について解説します。
正しい知識を身につけることで、愛犬の健康的な皮膚と被毛を維持し、快適な生活をサポートしましょう。



一見、シャンプーはすればするほど、わんちゃんをよりきれいな状態に保てそうな気がします。
しかし、シャンプーをしすぎないことは定期的にシャンプーをすることと同じくらい大切です。

シャンプーの主な目的は、犬の汚れや臭い、病原菌の増殖の原因となる皮脂を除去し、清潔な状態を保つことです。
しかし、皮脂は外部からの刺激や細菌の侵入を防いだり、保湿をする役割を果たしている皮膚のバリアを構成するため、一定の量は残しておく必要があります。

頻繁にシャンプーをすることは皮脂を過度に取り除いてしまい、かえって皮膚トラブルを引き起こす可能性があるのです。
具体的には、膿皮症や脂漏症をはじめとする皮膚疾患を引き起こしたり、乾燥肌になりやすくなるなどの恐れもあります。
上記は進行するとほかの皮膚トラブル(脱毛やフケなど)につながってしまうこともあるため、適切なシャンプーをすることで皮膚疾患や乾燥を予防することが望ましいといえるでしょう。

泥遊びをしたり、強い汚れが付いた場合はその都度部分洗いを行うことを推奨しますが、一般的には適切なシャンプーの頻度は1カ月に1~2回とされています。
しかし、わんちゃんの皮膚環境によって適切な頻度は異なる可能性があるため、獣医師に相談したうえでシャンプーをすることが大切です。



わんちゃんには人間用ではなく、犬用シャンプーを使うことがとても重要です。

別の記事で解説したように、人間と犬では皮膚が大きく異なるため、わんちゃんには犬用シャンプーを使用することが理想的です。

一般的に人間の皮膚のpH値は約4.5〜6.0(弱酸性)ですが、犬の皮膚のpH値は約6.2〜7.8(弱アルカリ性寄り)です。
そのため、弱酸性の皮膚を想定した人間用シャンプーをわんちゃんに使用すると皮膚トラブルが起きてしまう可能性があります。

また、犬の皮膚は人間よりも薄いとされています。
皮膚が薄いと外部からの刺激を受けやすくなるため、人間に作られたシャンプーは犬にとって刺激が強かったり、過度に皮脂を取り除いてしまうことがあります。

さらに、人間用シャンプーにはわんちゃんに刺激を与える可能性のある香料や添加物が含まれていることがあります。
わんちゃんは人間よりも嗅覚が鋭いため、人間用シャンプーの香料に不快感を覚えることがあります。
加えて、人間用シャンプーにはわんちゃんにとっては発がん性があったり、アレルギー反応を引き起こすものが含まれていることも珍しくありません。

このように、人間用シャンプーの使用は、思わぬトラブルのもとになる可能性があります。
愛犬の健康を守るためにも、必ず犬用に開発されたシャンプーを使用しましょう。



「薬用シャンプーは万能で、どんな皮膚状態でも使える」と考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、実際は薬用シャンプーは使用に注意が必要です。

薬用シャンプーは細菌やカビ、アレルギーによって引き起こされる皮膚トラブルに対し、有効成分が働くことによって治療効果があるとされています。
しかし、脂汚れを落とすことよりも殺菌・抗菌を主な目的としているため、通常のシャンプーよりも強い洗浄作用があります。
そのため、皮膚状態が健康な場合は原則使用する必要はありません。

間違って使用してしまうと乾燥肌や皮膚炎などのトラブルを引き起こしてしまうリスクがあるため、獣医師が必要と判断された場合に限って使用するようにし、必ず指定の期間と使用方法を守ることが重要です。
また、皮膚トラブルがある場合は、定期的に獣医師に皮膚状態をチェックしてもらいましょう。
必要以上に継続して薬用シャンプーを使用すると皮膚トラブルのリスクがあるため、症状が改善した場合は使用をやめることが推奨されます。

薬用シャンプーは効果的かもしれませんが、前提として皮膚トラブルがあること、そして獣医師と相談を重ねることが重要です。



わんちゃんのシャンプーに関する一般的な誤解として、「ドライシャンプーは洗浄力がない」というものがあります。
水を使用しないため、ドライシャンプーは脂汚れを落とせないと思われがちですが、実際は汚れを落とすことが可能です。

通常のシャンプーと同様、ドライシャンプーを洗いたい部分に行き渡らせて時間を置くと、脂汚れを浮かせることができます。
この汚れをドライシャンプーは水で洗い流す代わりタオル等でふき取っています。

ドライシャンプーのメリットは、その使いやすさが挙げられます。
水を使用しないため、わんちゃんにとってのストレスが大幅に軽減されます。
特に、水が苦手で通常のシャンプーを嫌がるわんちゃんや体を動かすことに不安のあるわんちゃんにとっては、ドライシャンプーは良い選択肢となるでしょう。
また、リビングや外出先でも使用可能で、短時間で簡単にケアすることができ、洗いたい場所だけを洗うことができるため、忙しい飼い主さんにとっても非常に便利だと考えられます。

このように、ドライシャンプーは適切に使用すれば脂汚れを落とすことができます。
強い汚れがついたときなどは通常のシャンプーのほうが適しているため、ドライシャンプー1本だけでは日常ケアができない可能性もありますが、持っておいても損はないアイテムです。

CUaREのBioMedical DRYは特許取得のBioactive glassを使用しており、低刺激ながらわんちゃんの脂汚れをしっかり落とすことができます。
成分としては天然由来のもので作られているため、皮膚に残ったり、わんちゃんが舐めてしまっても安全です。
よろしければ、こちらからお求めいただけます。



「皮膚疾患のあるわんちゃんはシャンプーをすると症状が悪化する」と考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、これは必ずしも正しくありません。
実際、適切なシャンプーは多くの皮膚疾患の治療に重要な役割を果たします。

皮膚疾患には、皮脂が過剰に分泌され、それをエサとする病原菌が増殖してしまったり、アレルゲンが付着してしまうことで引き起こされるものが多くあります。
そのため、皮脂や皮膚上の細菌の量を調整したり、アレルゲンを洗い落とすことのできるシャンプーは皮膚疾患の治療の一環となる可能性があります。

例えば、マラセチア性皮膚炎の場合、繁殖したマラセチア菌をシャンプーによって減らすことで、炎症を抑える効果が期待できます。
このように、適切なシャンプーはわんちゃんをキレイにするだけでなく、治療の一環としても重要な役割を果たすのです。

ただし、皮膚疾患のあるわんちゃんのシャンプーをする際は獣医師に相談することが大切です。
効果的な治療となりうるシャンプーですが、使用するシャンプー、使用方法や使用頻度よってはさらなる皮膚トラブルを引き起こしてしまうこともあるため、必ず獣医師の判断に準拠するようにしましょう。

内用薬や外用薬などのほかの治療と並行して適切なシャンプーを実践することで、わんちゃんの健康を守りましょう。



犬のシャンプーに関する5つの誤解について詳しく見てきました。

重要なポイントを振り返っていきましょう。

  • ・シャンプーは毎日行わず、犬種や生活環境に応じて適切に頻度をに決める
  • ・必ず「犬用」シャンプーを使用する
  • ・薬用シャンプーは使用に注意が必要
  • ・ドライシャンプーは脂汚れへの洗浄作用がある
  • ・皮膚疾患のあるわんちゃんにも適切なシャンプーが必要

愛犬のシャンプーについて不安や疑問がある場合は、遠慮なく獣医師に相談しましょう。
正しい知識をもって日々のシャンプーケアを行うことで、愛犬と健康な生活を送ることが可能となります。


この記事の監修者

どうぶつ病院京都グループ 獣医師

山口大学農学部獣医学科を卒業後、10年以上にわたり動物病院で臨床経験を積んだ獣医師。超音波検査や循環器診療の専門研修を修了し、日本獣医循環器病学会員としても活動。これまで一頭一頭の健康と快適な生活を考えた診療を心がけ、現在はブログ執筆や監修を通して飼い主様への良質な知識のご提供にも取り組んでいます。

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