わんちゃんの抜け毛、実は病気?換毛期と間違えられる脱毛症について

皆さんは、ご自宅のわんちゃんの抜け毛の多さが気になったことはありますか?

ダブルコートの犬種は、一般的に春と秋に換毛期を迎え、一気に抜け毛が増えます。
換毛期はブラッシングなどによって抜け毛の処理が必要なため、大変に思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、抜け毛は換毛期によるものではなく、病気によるものかもしれません。
脱毛症は、皮膚疾患などによって抜け毛が起きる病気です。
換毛期だと思って獣医師の診断を行わないと、原因となる皮膚トラブルが悪化してしまいます。
今回は、換毛期と脱毛症の見分け方、脱毛症の原因、そして皆さんがご自宅のシャンプーケアでできることを解説します。



前述したように、ダブルコートの犬種にとっては抜け毛は珍しいものではなく、古くなった毛を新しいものに生え変わらせるための生理現象です。

しかし、抜け毛が異常に多い、皮膚が見えるほど脱毛している、または犬が頻繁に掻くなどの症状が見られる場合は、脱毛症である可能性があります。

ご自宅のわんちゃんが下記に当てはまる場合、脱毛症が考えられます。

1. 抜け毛の量が多い
換毛期のわんちゃんも抜け毛は多いものの、脱毛症の場合は皮膚が見えるほど脱毛していることがあります。
明らかに被毛が薄くなっていることが分かる場合、脱毛症による抜け毛だと考えられます。

2. 特定の部位が脱毛している

換毛期は全身から均一に抜け毛がみられますが、脱毛症の場合、特定の部位に集中して脱毛が見られることがあります。
例えば、耳の後ろ、尻尾の根元、腹部、足の付け根などは皮膚が薄く、感染や炎症による脱毛が起こりやすい場所です。

3. 皮膚の状態
換毛期では皮膚表面に変化は見られませんが、脱毛症の場合は赤み、かさぶた、膿、ふけ、湿疹などの異常が見られます。
皮膚が乾燥している場合もあれば、逆に皮脂によってべっとりしている場合もあります。

4. かゆみ
換毛期には通常、強いかゆみは伴いません。
一方、脱毛症の場合、炎症によって犬が頻繁に皮膚をかくことがあります。
かゆみが強い場合、犬はかくことで皮膚を傷つけてしまい、二次感染を引き起こす可能性があります。

5. 全身状態
内分泌疾患によって脱毛が起きている場合、ホルモンバランスの乱れによって全身に症状が現れることがあります。
例えば、犬によく見られる副腎皮質機能亢進症は脱毛に加え、多飲多尿やお腹の膨れ、筋力の低下を伴います。

これらの症状が見られる場合、速やかに獣医師に相談することが推奨されます。



脱毛症には様々な原因がありますが、中でも特に対処が必要となるのは皮膚疾患によるものです。
これは細菌、真菌、寄生虫などが炎症や脱毛を引き起こすもので、放置すると痛みなどの二次症状が現れるため、獣医師による診察が必要です。

代表的なものとしては下記が挙げられます。

1. 膿皮症
膿皮症は、ブドウ球菌などの細菌感染によって引き起こされる皮膚病です。
症状としては、皮膚に膿が溜まることや、赤みやかゆみ、脱毛などが挙げられます。
脱毛は初期症状の一つとして挙げられるため、膿皮症が進行しないためにも獣医師によるチェックが重要です。

2. マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚炎は、マラセチアという真菌の過剰繁殖によって引き起こされる皮膚病です。
マラセチア自体は皮膚に自然に存在していますが、皮脂の過剰な分泌やアレルギーが原因で増殖すると、皮膚に炎症を起こしてしまいます。
症状には、皮膚の赤み、油っぽい皮膚、臭い、かゆみ、脱毛があります。

3. 皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症は、真菌感染によって引き起こされる皮膚病です。
環状の赤い発疹が特徴で、これにより円形の脱毛が生じるため、リングワームとも呼ばれます。
皮膚がうろこ状になり、かさぶたができることもあります。
真菌は感染力が高く、他の動物さんや人にも感染するため、早期の治療が必要です。

4. ニキビダニ症
ニキビダニ症は、ニキビダニが毛包に寄生することで起こります。
この寄生虫は通常、少量であれば問題を引き起こしませんが、免疫力が低下した場合に異常繁殖し、脱毛や皮膚炎を引き起こします。
重症化すると全身に広がることもあるため、早期の治療が大切です。

5. アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は、犬が食物や花粉、ダニなどのアレルゲンに対して過敏に反応することによって引き起こされる病気です。
アレルギー性皮膚炎になると強いかゆみを感じるため、頻繁に掻くことで脱毛が進行します。
また、皮膚が赤く腫れ、湿疹やかさぶたができることもあります。

このように、皮膚疾患の症状の一つとして脱毛が見られることがあります。
ご自宅のわんちゃんが当てはまると感じた場合、獣医師に相談し、適切な治療を行いましょう。



脱毛症は皮膚疾患以外にも、様々な原因があります。
炎症がみられない疾患や生活習慣などによっても、脱毛症となる可能性があります。

1. 遺伝性の疾患
前述の皮膚疾患以外にも、炎症を起こさない遺伝性の疾患によって脱毛症が引き起こされることがあります。
例としては「脱毛症X」「パターン脱毛症」「淡色被毛脱毛症」などが挙げられ、犬種によってかかりやすさが異なります。

2. ホルモン性の疾患
ホルモンバランスの変化も脱毛の大きな要因です。
新陳代謝が低下し、毛が薄くなったり抜けやすくなったりする甲状腺機能低下症や過剰なステロイドホルモンの分泌によって毛が抜けやすくなるクッシング症候群などにもみられるように、脱毛症はホルモンバランスの変化に起因していることがあります。

3. 栄養不良
適切な栄養摂取は犬の健康に大きく関わってきます。
特に、被毛の健康を維持するためにはバランスの取れた食事が必要です。
ビタミン、ミネラル、タンパク質が不足すると、被毛が弱くなってしまい、抜けやすくなります。

4. ストレス
犬もストレスを感じると体に影響が現れます。
長期間のお留守番や環境の変化などによってストレスがかかるとホルモンバランスが崩れてしまい、脱毛が起きることがあります。
ストレスを軽減するために、適切な運動や飼い主さんとのふれあいが大切です。

5. 不適切なケア
ブラッシングやシャンプーは犬の健康を維持する上で重要な日常ケアですが、やり方を間違えると脱毛の原因となってしまいます。
高頻度なシャンプーなどは皮膚を傷つけてしまい、毛が抜けやすくなる原因となります。
また、これらのケアが不足すると毛が絡まったり、皮脂が増えたりすることで前述の皮膚炎になりやすくなり、脱毛が引き起こされることがあります。

これらの疾患や環境要因を理解し、獣医師に相談することでわんちゃんの健康を守ることができます。
ご自宅のわんちゃんの状態に応じて適切なケアを行い、快適な生活を送りましょう。



脱毛症は獣医師による診断のもと、原因に応じた治療を行うことが重要です。
治療法にはホルモン治療など動物病院で行われるものと、シャンプーケアや食生活の改善などご自宅で行うものが挙げられます。
ここでは、皮膚疾患の予防や緩和に繋がるシャンプーケアについてご紹介します。

1. 皮膚の清潔維持と炎症の抑制
前述の通り、脱毛症の原因の一つとして皮膚の炎症があります。
これは皮脂の分泌によって菌類が過剰に繁殖してしまうことで起きることが多いため、シャンプーケアで皮脂の量を適切に保つことで皮膚疾患の予防や緩和が可能であるといえるでしょう。

2. アレルギーの緩和
花粉など、体に付着するものによってアレルギー反応によって脱毛が起きている場合もシャンプーケアは役立ちます。
シャンプーで洗いあげることで原因となるアレルゲンを除去し、症状の軽減が期待できます。

3. 皮膚の保湿
皮膚疾患は乾燥によって悪化してしまうことがあります。
皮膚が乾燥すると寄生虫やアレルゲンなどの外部の刺激に弱くなってしまうため、丈夫な皮膚を作るには適度な保湿が必要です。
シャンプーの中には保湿効果のあるものがあり、洗浄と保湿を同時に行うことができます。
これにより皮膚の健康が改善され、脱毛症が緩和される可能性があります。

以上のように、シャンプーケアは脱毛症の管理において重要な役割を果たします。
ご自宅のわんちゃんの状態合わせて他のケアと並行することで、健康な皮膚状態が可能になります。



ご自宅のわんちゃんの抜け毛は換毛期ではなく、脱毛症によるものかもしれません。
抜け毛の量が多かったり、皮膚そのものに異常がみられる場合は、脱毛症が疑われます。
脱毛症は皮膚疾患や環境要因などに起因しており、獣医師に相談した上で状態にあったケアが必要となります。
飼い主さんがご自宅でできることの一つとしてシャンプーケアがあり、適切に行うことで脱毛症のケアが可能になります。

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