愛犬がストレスで皮膚トラブルに⁉ 心因性皮膚炎の予防と治療法


「最近、愛犬の様子がいつもと違う…」 「体をよく掻いているけど、原因が分からず心配…」

皆さんは、ストレスがわんちゃんの皮膚炎を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか?

「心因性皮膚炎」は、ストレスや不安などの心理的な要因によって引き起こされる皮膚トラブルです。
人間もストレスによって肌が荒れたりすることもありますが、わんちゃんの場合は皮膚炎を起こすことによって二次的に病気を伴うことも多いため、早めの対処が必要になります。

今回は心因性皮膚炎の症状や原因、特に注意が必要なわんちゃん、そして治療法や早期発見するためのコツについてご説明します。


ストレスを感じている犬


主な症状


心因性皮膚炎の症状は、ストレスの程度や個体差によって様々な形で現れますが、主なものとしては下記が挙げられます。

  • ・かゆみ

ストレスを過剰に感じることによって、かゆみが生じることがあります。
また、かいたりなめたりすることで皮膚炎が進行すると、かゆみが悪化してしまうこともあります。

  • ・脱毛

過剰になめたりかいたりすることによって、皮膚が傷つき、脱毛が見られることがあります。

  • ・皮膚の炎症

ストレスによってかいたりなめたりすることで皮膚に炎症が見られます。
また、これによって出血や細菌感染などが引き起こされることもあります。

このように、心因性皮膚炎では様々な症状が現れます。

ストレスになり得るもの

ストレスとなる状況はそれぞれのわんちゃんによって異なりますが、代表的なものとしては以下のようなものがあります。

  • ・飼い主さんの長時間の不在
  • ・引っ越しなど環境の変化
  • ・家族構成の変化(新しい家族、家族の入院など)
  • ・他のペットの存在
  • ・騒音やリフォームなどによる環境音


これらはわんちゃんのストレスとなり、不安を解消しようと自分の体をかきむしったり、過剰になめたりすると皮膚トラブルが現れてしまいます。

混同されやすい病気


心因性皮膚炎は他の皮膚疾患と症状が似ているため、混同されやすいとされています。
よく間違われる病気としては以下のようなものがあります。

  • ・アトピー性皮膚炎

アレルギー反応によって引き起こされる慢性的な皮膚疾患です。
かゆみが主な症状で、これを過剰にかくことで脱毛などのほかの皮膚トラブルが生じることがあります。

  • ・ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液に対するアレルギー反応で、強いかゆみや赤い発疹が見られます。
アトピー性皮膚炎と同様に、かきむしることで脱毛や細菌感染などにつながることもあります。

  • ・膿皮症

ブドウ球菌が過剰に増えるによって引き起こされる皮膚病で、かゆみや赤み、膿を伴う湿疹が特徴です。
特に高温多湿な環境で発生しやすく、梅雨から夏にかけて多く見られます。

  • ・マラセチア皮膚炎

皮膚のマラセチア菌が増殖することで、皮膚がべたついたり、かゆみが引き起こされます。

これらの病気はそれぞれ原因は異なりますが、共通して「かゆみ」を伴うため診断が難しいとされています。
それによって、心因性皮膚炎が見落とされることが少なくありません。


外に出たい犬


心因性皮膚炎は、すべてのわんちゃんに起こる可能性がありますが、特に以下のような特徴を持つわんちゃんは注意が必要です。

性格的な特徴


神経質な性格のわんちゃんは、ストレスに対して敏感に反応する傾向があります。
具体的には、下記に当てはまる場合は心因性皮膚炎になりやすいといえるでしょう。

  • ・繊細な性格
  • ・音や振動に敏感
  • ・見知らぬ人や動物に不安を感じる
  • ・環境の変化に敏感
  • ・分離不安の傾向がある


このような性格を持つわんちゃんは、日常生活の中での変化でストレスを感じやすいため、結果として体をかんだり、過剰になめることで皮膚炎を発症するリスクが高まります。

生活環境


また、特定の生活環境を持つわんちゃんも注意が必要です。

  • ・1人暮らしの飼い主さんのわんちゃん
  • ・他のペットと同居するわんちゃん
  • ・お留守番の多いわんちゃん
  • ・頻繁な環境変化がある家庭のわんちゃん
  • ・運動する機会が少ないわんちゃん


これらの環境では、ストレスになり得るものが多くあるため、心因性皮膚炎のリスクが高まることがあります。

このように、わんちゃんの性格や生活環境によって心因性皮膚炎のリスクは異なります。
上記の特徴にあてはまるわんちゃんの場合は、普段から様子をチェックし、変化が見られたり、心配なことがあった際は獣医師にご相談ください。


散歩を要求する犬


心因性皮膚炎を発症した場合、ストレスを軽減することで愛犬が皮膚をかんだりなめたりする習慣を改善し、症状の緩和を図ります。
また、皮膚トラブルの症状が重い場合、薬などを使用した治療も行います。

ストレスの緩和


心因性皮膚炎の主な原因はストレスであるため、治療の際は可能な限りストレスの原因となるものを取り除くことが重要です。

まず、わんちゃんにとって快適な環境を整えることが重要です。
前述のとおり、犬は環境の変化に敏感であり、引っ越しや家族構成の変化、長時間の留守番などがストレスの要因となることがあります。
このような身近な変化を見直し、必要に応じて獣医師と相談しながら愛犬のストレスを緩和していくことが重要です。
例えば、新しい家族が増えた際などは、静かに過ごせる場所を確保すると良いでしょう。

また、必要に応じて運動を増やすことも重要です。
犬は運動不足になるとストレスを感じやすくなるため、散歩や遊びの時間を増やすことで、ストレスを発散させることができます。
一緒に遊ぶ時間はスキンシップをとる機会にもなるため、声をかけたり撫でたりしながら行うとより効果的になるでしょう。

これらの方法を組み合わせて行うことで、愛犬のストレスを緩和しやすくなり、心因性皮膚炎の予防や回復につながります。

皮膚トラブルの治療


一般的に、心因性皮膚炎の治療は前述のストレス緩和によって行いますが、皮膚の症状が重かったり、ストレスを感じている状態が続くようであれば獣医師による薬物療法などを行う場合があります。

具体的には、抗不安薬や漢方薬が使用されます。
これによってストレスや不安が緩和され、過剰なグルーミングを抑えることが期待できます。
また、これに加えてエリザベスカラーを付けたり、適切なシャンプーケアを行うことで皮膚トラブルが回復しやすくなるでしょう。

薬やシャンプーが処方された際は、獣医師の指示に従って正しく行うことが大切です。
使用方法や頻度を守ることで、効果的な治療が可能になります。

症状がよくなるには時間がかかる場合もありますが、環境を整えたり、獣医師による治療によって、改善することができます。


獣医師の診察を受けている犬


心因性皮膚炎は、早期発見・早期治療が重要です。
症状が進行すると他の皮膚トラブルを起こしたり、治療期間が長くなる可能性があるため、普段からわんちゃんの様子を観察し、心因性皮膚炎が疑われる場合はなるべく早く獣医師の診察を受けることが重要です。

行動や皮膚状態の変化


わんちゃんの行動や皮膚状態の変化は、心因性皮膚炎の重要なサインとなります。
以下のような変化が見られた場合は要注意です。

  • ・いつもより落ち着きがない
  • ・特定の場所を頻繁に舐めたりかいたりしている
  • ・皮膚が赤い
  • ・抜け毛が増えた
  • ・皮膚が乾燥している


これらの行動変化は、ストレスのサインであると同時に、皮膚の不調を示している可能性があります。

定期的な健康診断


定期的に獣医師による健康診断を受けることも心因性皮膚炎の早期発見には欠かせません。
前述のとおり、心因性皮膚炎は他の病気と混同されやすく診断が難しいものの、問診で環境の変化や体をなめたりする習慣について話したり、検査を行うことで心因性皮膚炎の早期治療を始めることができます。

また、心因性皮膚炎はアトピー性皮膚炎などと併発している場合も多いため、定期的な健康診断を受けることで、他の病気の早期発見や早期治療もしやすくなるでしょう。

早期発見のためには、日々の観察と定期的な健康診断の両方が重要です。

些細な変化でも気になることがあれば、すぐに獣医師に相談することが推奨されます。
早期に治療を行うことで、わんちゃんのストレスや皮膚トラブルを緩和することが可能になります。



わんちゃんも人間と同じように、環境が変化した際などにストレスや不安を感じることは珍しいことではありません。
しかし、過剰なストレスを感じると体をなめすぎることなどによってかゆみや炎症、脱毛を起こすリスクがあります。

心因性皮膚炎の症状に心当たりがあったり、診断された場合は生活環境を見直し、必要であれば薬などを使用することによって改善が期待できます。
なるべく早期に治療を行うことが望ましいため、日頃から愛犬を観察し、変化に気付いた際はぜひ獣医師にご相談ください。


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