
愛犬の体に湿疹を見つけた時、飼い主さんは不安になりますよね。
「シャンプーをしたほうがいいの?」「シャンプーをすると悪化してしまうかも…」と、お手入れの方法に迷われる方も多いのではないでしょうか。
今回は、湿疹ができてしまった時のシャンプー方法や注意点について、ご説明いたします。
飼い主さんができる正しいケア方法を知っていただくことで、愛犬の早期回復をサポートしていただければと思います。
目次
シャンプーの重要性

湿疹ができた時は、むやみにシャンプーをするのは避けたほうがよいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、間違った方法でのシャンプーは症状を悪化させる可能性があります。
しかし、適切な方法で行えば、シャンプーは湿疹の治療に効果的なケア方法の1つとなるでしょう。
シャンプーの効果としては主に下記が挙げられます。
皮膚を清潔に保つ
湿疹ができている箇所は、汚れや雑菌が付着することで症状が悪化する可能性があります。
適切なシャンプーで優しく洗い流すことで、皮膚を清潔に保ち、悪化を防ぐことができるでしょう。
また、湿疹ができている部分は、通常の皮膚よりも雑菌が繁殖しやすい状態にあります。
特に梅雨時期や夏場は、湿気と熱で雑菌が増殖しやすくなるため、清潔を保つことがより重要になってきます。
かゆみの緩和
湿疹に伴うかゆみは、愛犬にとって大きなストレスとなります。
体を掻くことで傷ができてしまい、さらなる炎症を引き起こすこともあるため、シャンプーの使用によってかゆみの原因となる物質を洗い流し、症状を緩和することも重要です。
特に、アレルギー性の湿疹の場合、アレルゲンを洗い流すことでかゆみが大幅に軽減されることが期待できます。
皮膚トラブルが起きた際、シャンプーは重要なケアの1つとなり得ます。
獣医師と相談の上、適切なシャンプーをすることで湿疹の改善が見込めるでしょう。
湿疹の種類

湿疹といっても、その原因や症状はさまざまです。 シャンプーをする前に、どのような湿疹なのかを確認することが大切です。
以下に代表的な湿疹の種類と、それぞれの特徴についてご説明します。
アレルギーによる湿疹
アトピー性皮膚炎やノミアレルギー性皮膚炎など、アレルギーによる湿疹には主に下記の特徴が見られます。
- ・かゆみが強い
アレルギー性の湿疹の場合、強いかゆみを伴うことが多いです。
わんちゃんが頻繁に同じ場所を掻いたり、床や家具にこすりつけたりする行動が見られることもあります。
- ・手足に多く見られる
特に、耳の付け根、わきの下、足の付け根、お腹周りなど、皮膚が重なってこすれやすい部分に発症しやすい傾向があります。
また、アレルギー反応が進行すると、フケが増えたり脱毛が見られたりすることもあります。
細菌感染による湿疹
膿皮症などの細菌感染による湿疹は、放置すると重症化する可能性があるため、早期発見・早期治療が特に重要です。
主に以下のような特徴が見られます。
- ・じくじくとした湿疹
皮膚表面が湿っぽく、べたつきがある状態です。
この状態は細菌が増殖しやすいため、症状が急速に悪化する可能性があります。
- ・悪臭
感染が進行すると、皮膚から悪臭が発生することがあります。
- ・膿を持った湿疹
黄色や白色の膿が見られる場合は、細菌感染の可能性が高いです。
また、赤く盛り上がった湿疹が見られることもあります。
いずれの場合も早期の治療が重要なため、心当たりがあれば獣医師に相談しましょう。
ホルモン異常による湿疹
甲状腺機能低下症やクッシング症候群などのホルモンバランスの乱れによる湿疹の特徴としては下記の特徴が挙げられます。
- ・症状が左右対称
ホルモン異常による湿疹は、脱毛などの症状が体の両側に対称的に現れることが多いです。
背中やしっぽなど、同じ部位に同様の症状が見られます。
- ・皮膚の色素沈着
慢性的なホルモン異常により、メラニンが増えることで皮膚が色素沈着(黒ずみ)が見られたりします。
アレルギーと細菌感染、ホルモン異常による湿疹には上記の傾向が見られます。
いずれの場合も早期の治療が重要なため、心当たりがあれば獣医師に相談しましょう。
適切なシャンプーの選び方

アレルギーは原因となる物質を避けること、細菌感染は処方薬の使用など、湿疹が見られた際は皮膚トラブルに合った治療法が大切です。
その一環として、シャンプーケアで症状が改善することがあります。
以下のポイントに注意して、愛犬の状態に合ったシャンプーを選びましょう。
低刺激性
元々犬は皮膚が繊細なことに加え、湿疹が見られるときは特に刺激を受けやすいため、洗浄力がありつつも低刺激のシャンプーを選ぶことが大切です。
高刺激のシャンプーの場合、下記のリスクがあります。
- ・炎症の悪化
刺激の強いシャンプーは、湿疹やその周りの健康な皮膚まで傷めてしまう可能性があります。
それによって、湿疹が広がったり、腫れが出てくるなどの症状悪化につながります。
- ・強いかゆみ
高刺激のシャンプーはもともとあるかゆみをさらに強めてしまうことがあります。
皮膚状態を改善するためには、低刺激のシャンプーを使用することが重要です。
シャンプーを選ぶ際は獣医師と相談し、刺激性を確認しましょう。
薬用シャンプー
細菌感染の場合は獣医師から薬用シャンプーが処方される場合があります。
薬用シャンプーには抗菌作用があるため、湿疹の原因となっている菌を減らすことで症状の緩和が期待できます。
しかし、作用が強いため、用量・用法を守りながら使用することが重要です。
使用の際は下記をしっかり注意して使いましょう。
- ・経過観察
皮膚が敏感なわんちゃんの場合、薬用シャンプーによって刺激を感じたり、アレルギー反応を感じたりすることがあります。
もし異常が見られた場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
- ・希釈倍率
薄めてから使用する製品の場合、指定の濃度で洗うようにしましょう。
- ・処方期間
薬用シャンプーは皮膚トラブルが見られたときのみに、指定の頻度で使用します。
皮膚トラブルがないときに使用すると、炎症や乾燥のもとになってしまうこともあります。
- ・他のシャンプーとの併用
他のシャンプーや薬剤と併用する場合は、必ず事前に獣医師に確認が必要です。
使用の可否やシャンプーの頻度は獣医師の判断に従いましょう。
シャンプーの選択に迷った場合は、獣医師に相談することを推奨します。
愛犬の皮膚の状態や、湿疹の種類によって最適なシャンプーは異なるため、獣医師とともに安全で効果的なシャンプーを選びましょう。
シャンプーの注意点

湿疹がある時は、特に丁寧なシャンプーを心がけましょう。
誤った方法でシャンプーをすると、せっかく良い製品を選んでも効果が半減してしまったり、場合によっては症状を悪化させてしまう可能性もあります。
以下の手順を参考に、優しく丁寧にシャンプーを行ってください。
準備
シャンプーを始める前に、愛犬が安全にシャンプーできる準備を整えることが重要です。
主な準備としては下記が挙げられます。
- ・湿疹の状態を確認
まず、シャンプー前に必ず湿疹の状態を確認します。
普段と状態が違ったり、症状が悪化している場合は、獣医師に相談してからシャンプーをするかの判断をしましょう。
- ・シャンプーの確認
処方されたシャンプーがある場合は、その使用方法をしっかり確認しておきましょう。
一般的なシャンプーと使い方が異なることもあります。
- ・水温の確認
犬の皮膚は薄く、刺激に敏感なため、お湯が熱すぎるとやけどしてしまうことがあります。
37度前後のぬるま湯でシャンプーをしましょう。
シャンプー中
シャンプー中は、刺激にならないように洗うことが大切です。
湿疹のある部分は刺激を特に受けやすいため、こすりすぎると症状が悪化する恐れがあります。
泡立てたシャンプーを優しく撫でるように広げて洗いましょう。
他にも、以下の部分は洗う際に注意が必要です。
- ・湿疹の周辺
- ・関節部分
- ・傷のある部分
また、シャンプーをしっかりすすぐことも重要です。
すすぎ残したシャンプーが刺激となって症状が悪化することもあるため、洗い流しが内容にしましょう。
シャンプー後
シャンプーの後も刺激に注意が必要です。
主に下記がポイントとなります。
- ・優しく拭く
洗う時と同様、ゴシゴシとこすると炎症が広がるリスクがあるため、優しく押さえるように水分を取ります。
湿疹のある部分は特に慎重に扱いましょう。
- ・しっかり乾かす
湿ったままにすると、症状が悪化する可能性があるため、しっかり乾燥させましょう。
また、皮膚を刺激しないためにも、ドライヤーを使用する際は冷風で乾かすことが大切です。
まとめ
湿疹ができた時のシャンプーは、適切な方法で行うことが重要です。
症状を悪化させないためにも、以下のポイントを意識して行いましょう。
- ・湿疹の種類を確認し、適切な治療を行う
- ・獣医師と適切なシャンプーを選ぶ
- ・優しく丁寧に洗う
- ・すすぎ残しに注意
- ・しっかり乾かす
これらの点に気を付けることで、シャンプーを効果的な治療として活用することができます。
愛犬の皮膚の状態に合わせて、適切なケアを心がけましょう。
心配な症状があれば、早めに獣医師に相談することが重要です。
正しいケアで、愛犬の健康な毎日をサポートしてあげてくださいね。

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