皮膚トラブルの原因はホルモン!?バランスを整えるにはどうする?


「最近、うちの子の皮膚がカサカサしてて…」

愛犬の皮膚や被毛の状態に、このような変化を感じたことはありませんか?
実は、これらの症状はホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。

犬の体内では、甲状腺ホルモンやコルチゾールなどのホルモンが作用し合い、全身の健康を維持しています。
これらのホルモンバランスが崩れると、皮膚トラブルが起こりやすくなります。

しかし、これは適切なケアによって治療や予防が可能です。
適切な生活習慣と食事管理、そして必要に応じた獣医師のケアによって、愛犬のホルモンバランスを整え、健康な皮膚環境を維持することができます。

今回は、犬のホルモンバランスと皮膚環境の関係について解説し、ホルモンバランスが乱れた際の治療法や日常生活でできるケア方法をご紹介します。



ホルモンは内分泌腺から分泌されるタンパク質で、血液を通じて体中を巡り、代謝、免疫機能、成長、生殖、ストレス反応など、様々な機能を調整する重要な役割を担っています。
犬の体内では、様々な種類のホルモンがバランスを保ちながら、全身の健康を維持しているのです。

犬の主要なホルモンには、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)、性ホルモン(エストロゲン、テストステロンなど)、成長ホルモン、インスリンなどがあります。
健康な状態であれば、これらのホルモンは適切な量で分泌され、それぞれの機能を果たします。

しかし、ホルモンは様々な要因によって増えすぎたり、足りなくなったりする可能性があります。
これによって、健康上のトラブルを起こすことは珍しくありません。

ホルモンバランスを崩す原因としては、主に以下のものがあります。

  • ・特定の疾患
  • ・加齢
  • ・慢性的なストレス
  • ・不適切な食事
  • ・環境の急激な変化


例えば、後述する甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌疾患は、ホルモンの過剰分泌や不足を引き起こし、全身の健康に影響を及ぼします。

ホルモンバランスの乱れは、犬の皮膚や被毛の健康にも影響を与えます。
ホルモンは皮膚の新陳代謝、皮脂の分泌、被毛の成長サイクルなどを調整しているため、バランスが崩れると様々な皮膚トラブルが発生する可能性があります。
次のセクションでは、ホルモンバランスを乱す病気について見ていきましょう。



ホルモンバランスの乱れは、様々な皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。
中でも病気によってホルモンバランスが崩れる内分泌疾患はほかの病気と併発するとより健康リスクが大きいため、特に注意が必要だといえるでしょう。
主な内分泌疾患の例としては下記があげられます。

甲状腺ホルモンは代謝を調整する重要なホルモンです。
甲状腺機能低下症ではこの甲状腺ホルモンが不足してしまい、新陳代謝が遅くなることで皮膚や被毛に影響が出ます。
具体的な症状としては被毛が薄くなったり、脱毛、乾燥 、被毛の艶がなくなるなどといったものがあります。
また、全体的に元気がなくなったり、むくんだりするといった症状も見られます。

  • ・クッシング症候群

クッシング症候群という疾患では副腎で作られるコルチゾールが過剰に分泌される疾患です。
これによって引き起こされる皮膚トラブルとしては、抜け毛が増えたり、皮膚が硬くなったり、発疹が起きたりすることなどが挙げられます。
全体の症状としては、水を以上に飲むようになったり、お腹が膨れ上がったり、呼吸が荒くなったりすることが見られます。

  • ・性ホルモンの乱れ

性ホルモンもバランスが乱れることで皮膚トラブルを引き起こすことがあります。
性ホルモンの異常はご自宅で飼われているわんちゃんにはあまり一般的ではありませんが、成熟期からシニア期で未去勢や未避妊の犬に見られます。
症状としては左右対称の脱毛、皮膚のべたつきや炎症が一般的です。

このように、ホルモンバランスは皮膚トラブルの原因となることがあります。
しかし、これらの症状はホルモンバランスの乱れ以外の原因でも起こる可能性があるため、適切な治療を行うためにも皮膚トラブルが見られたら獣医師に相談することが大切です。



ホルモンバランスの乱れによる皮膚トラブルが疑われる場合、適切な対処が重要です。
一般的に皮膚トラブルの対処は以下の手順によって行われます。

  • 1.  診断

まず、適切な治療を行うため、問診で症状の経過や日常生活の様子について聞いたり、検査を行ったりすることで病気の診断を行います。
検査には様々なものがあり、皮膚や被毛の状態を詳しく観察する身体検査や、血液を採取して ホルモンレベルや栄養状態を確認する血液検査、また必要に応じて皮膚のサンプルを採取し、細菌やカビの有無を調べる皮膚検査などが行われます。

  • 2. 治療の開始

診断結果が得られた後は、それぞれに合った治療を行います。
例えば、甲状腺機能低下症の場合は甲状腺ホルモンの補充療法を行い、不足している分を補うことで症状の改善を図ります。
一方、コルチゾールが過剰分泌されるクッシング症候群の場合はホルモン調整剤などによって分泌量を抑えることが一般的です。
また、性ホルモンに異常がある未去勢・未避妊のわんちゃんは去勢手術や避妊手術をすることで症状の緩和が期待できます。

3. 定期的な検診

病気の診断が行われ、適切な治療が開始された後も、継続的なケアが非常に重要です。
獣医師との定期的な検診を行い、わんちゃんの健康状態と治療の効果をチェックしましょう。
症状の改善や副作用の有無などが確認され、必要に応じて投薬量の調整や治療法の変更が行われます。

獣医師による診断、治療、定期健診はホルモンバランスによる健康トラブルに対処するうえでとても重要です。
愛犬の健康で心配事がある場合は、ぜひ獣医師にご相談ください。



愛犬のホルモンバランスを整え、健康な皮膚環境を保つためには、日々の生活習慣も重要です。
主に下記のポイントに注意しましょう。

  • ・バランスの取れた食事

適切な栄養摂取は、ホルモンバランスを保つことに不可欠です。
バランスが取れていない食事を続けると、脂質の代謝が乱れたり、タンパク質がしっかり分解されなくなったりすることで内分泌疾患のリスクが高くなります。
必要があれば獣医師とご相談の上、オメガ3とオメガ6脂肪酸などの必須脂肪酸や、ビタミンE、ビタミンD、亜鉛などのビタミンとミネラルをしっかり摂取できるドッグフードやサプリメントを活用しましょう。

  • ・ストレス管理

気温の変化、トリミング、旅行などによってわんちゃんにストレスがかかると、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
散歩によってストレス解消をしたり、愛犬が過ごす場所を快適に保つことで、ホルモンバランスを保ちやすくなるでしょう。

  • ・定期的な健康診断

定期的な健康診断をすることで、ホルモンバランスが乱れてしまった場合も比較的早期に対処できます。
特にシニアのわんちゃんの場合はホルモンバランスが乱れやすく、ほかの健康リスクも高まるため、より健康診断が重要となります。

これらの日常ケアを継続することで、愛犬のホルモンバランスを整え、健康な皮膚環境を維持することが期待できます。



わんちゃんのホルモンバランスが乱れてしまうと、脱毛や乾燥などの皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。

重要なポイントを振り返ってみましょう。

  • ・ホルモンバランスが乱れると、脱毛、乾燥、かゆみ、炎症などが起きることもある
  • ・内分泌疾患によって特定のホルモンが増えすぎたり不足したりする
  • ・獣医師の診察と適切な治療、定期健診をしっかり行う
  • ・食生活、生活環境、定期的な健康チェックでなるべくホルモンバランスを整える


愛犬の健康を守るためには、日頃からの観察と適切なケアが欠かせません。
皮膚や被毛の変化に気づいたり、心配事がある場合は獣医師に相談しましょう。

この記事の監修者

どうぶつ病院京都グループ 獣医師

山口大学農学部獣医学科を卒業後、10年以上にわたり動物病院で臨床経験を積んだ獣医師。超音波検査や循環器診療の専門研修を修了し、日本獣医循環器病学会員としても活動。これまで一頭一頭の健康と快適な生活を考えた診療を心がけ、現在はブログ執筆や監修を通して飼い主様への良質な知識のご提供にも取り組んでいます。

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