安全第一のシャンプーがしたい!わんちゃんのけが・事故を防ぐには?


皆さんは、おうちのわんちゃんにシャンプーをする際に心配になることはありますか?

「うちの子、シャンプー中に暴れちゃって…」 「滑って転んでしまわないか心配で…」

こんな不安を抱えている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
実は、シャンプー中のけがや事故は決して珍しいものではありません。

プロが施術を行うトリミングサロンなどでもトラブルが起きうるように、ご自宅で行うシャンプーもけがや事故が起きてしまうことが考えられます。
しかし、適切な準備と注意深い対応があれば、シャンプー中のけがや事故のリスクを大幅に減らすことができます。

今回は、わんちゃんのシャンプーを安全に行うための対策について解説いたします。



まずは、どのようなけがや事故が起こりやすいのかを具体的に見ていきましょう。

  • ・やけど

シャワーの温度設定を誤ると、わんちゃんにやけどを負わせてしまう可能性があります。
また、ドライヤーの熱が直接肌に当たり続けることも、やけどのリスクがあります。

  • ・滑って転倒する

浴槽やシャワールームは水で濡れて滑りやすくなります。
わんちゃんが動いたりする際に、転倒してしまう可能性があります。
特に大型犬の場合、飼い主さんまで巻き込んで転倒することも考えられるため、要注意です。

  • ・石鹸や洗浄剤の誤飲

わんちゃんはときに石鹸や洗浄剤をなめてしまうことがあります。
これらの製品には化学物質が含まれており、誤飲すると胃腸の不調や中毒症状を引き起こす可能性があります。

  • ・爪のトラブル

わんちゃんが暴れたり、急に動いたりすると、排水口などに爪が引っかかることがあります。
また、飼い主さんが引っかかれてしまうことも考えられます。

  • ・ヒートショック

特に冬場や気温の低い時期に起こりやすい事故です。
シャンプー後に温かい浴室から寒い脱衣所に移動する際に、急激な温度変化によって体に負担がかかることがあります。
特に、シニアのわんちゃんや持病のあるわんちゃんは特に注意が必要です。

  • ・溺水

水がたまっているバスタブの中で洗う場合、そこで溺れる危険性があります。
特に小型犬や子犬は溺れやすいといえるでしょう。

このように、シャンプーケアにはけがや事故の危険がつきまといます。
しかし、適切な準備や対応をすることで、これらのリスクを未然に防ぎやすくなります。

それでは、具体的な安全対策について見ていきましょう。



シャンプー中のけがや事故を防ぐためには、事前の準備がとても重要です。
適切な環境を整えることで、わんちゃんも飼い主さんも安心してシャンプーを楽しむことができます。

  • ・滑り止めマット

わんちゃんが滑ったり、転倒したりすることが心配な場合、浴槽やシャワールームの床に滑り止めマットを敷くことが推奨されます。
これにより、わんちゃんも飼い主さんも足元がしっかりし、転倒のリスクを大幅に減らすことができます。
使用するマットのサイズとしては、ご自宅のわんちゃんのサイズに合わせて設置するといいでしょう。

  • ・洗い場の片付け

人間用のシャンプーや石鹸など、わんちゃんのシャンプー中に使用しないものは手の届かないところに置いておきましょう。
これにより、シャンプー中になめてしまう事故を防ぐことができます。
また、シャンプー後にわんちゃんが暴れたり走り回ったりする可能性を考慮し、浴室周辺の危険物を片付けておきましょう。
特に、滑りやすい場所や鋭利な物がないか確認することが重要です。


  • ・室温管理

前述のとおり、シャンプー後はヒートショックのリスクがあるため、事前に室温を調節しておき、寒暖差を少なくすることが重要です。
特に冬場はヒートショックが起きやすいため、部屋を適度に暖かくしておきましょう。

  • ・爪切り

シャンプー前に爪のチェックを行うことで、シャンプー中に爪が引っかかるリスクを減らすことができます。
爪が長過ぎると判断した場合、ご自宅や動物病院及びトリミングサロンで爪切りを行ってからシャンプーをすると安心です。

これらの準備を整えることで、シャンプー時のけがや事故を未然に防ぎやすくなります。



適切な準備ができたら、シャンプーを始めましょう。
シャンプー中の安全対策としては下記が挙げられます。

  • ・水温の確認

わんちゃんの体温は人間よりも高いため、人間が心地よいと感じる温度では熱すぎる可能性があります。
なるべく37〜38度ほどのぬるま湯であらうようにしましょう。
必ず事前に手で温度を確認し、わんちゃんの様子を見ながら調整することが重要です。

  • ・焦らず丁寧に

急いでシャンプーを済ませようとすると、わんちゃんも焦ってしまい、爪が引っかかってしまうなどの事故が起きやすくなります。
なるべく丁寧に行うことを心がけましょう。
わんちゃんの様子を見ながら、適度に休憩を取ることも大切です。

  • ・適度な休憩

長時間のシャンプーは、わんちゃんにとってストレスになる可能性があります。
途中で暴れたりするとけがや事故の元となるため、なるべく短時間で行えるような工夫をしたり、時間がかかる場合は適度に休憩を取ってわんちゃんの様子を見ながら実施しましょう。

  • ・適切な姿勢の保持

わんちゃんを洗う際は、できるだけ安定した姿勢を保つことが大切です。
大型犬の場合は、固定できるタイプのシャワーヘッドを使用すると、両手でわんちゃんを支えることができます。
小型犬の場合は、ペットバスなどを使用してもよいでしょう。

  • ・コミュニケーションを取る

シャンプー中もわんちゃんに声かけや触れ合いによって安心させることが大切です。
例えば、「お水かけるよ」と声をかけてからシャワーをかけるなどをすることにより、わんちゃんも落ち着いてシャンプーを受けやすくなるでしょう。

これらの注意点を守ることで、シャンプー時のリスクを減らし、安心してケアを行いやすくなるでしょう。



シャンプー後のケアも、けがや事故を防ぐ上で非常に重要です。
以下に、シャンプー後の注意点とケアについて説明します。

  • ・適切なドライヤーの使用

前述のとおり、ドライヤーの使い方によってはやけどをしてしまうことも考えられます。
ドライヤーを使用する際は、温度が高すぎないようにしたり、体から20cm以上の距離を離して使用することが推奨されます。

  • ・爪のチェック

シャンプー中は動き回ることで爪が引っかかるだけでなく、割れたりしてしまう可能性があります。
そのため、シャンプー後は爪の状態を確認し、異常がないことを確認しましょう。

  • ・様子を観察

わんちゃんはストレスによって体調を崩してしまうこともあるため、シャンプー後はわんちゃんの様子をよく観察しましょう。
元気がない、食欲がない、頻繁に体を掻くなどの症状が見られた場合は、獣医師に相談することをおすすめします。

これらを実践することで、シャンプー後のトラブルを防ぎ、わんちゃんの健康と安全を守ることが可能になります。



シャンプーは、わんちゃんの清潔を保ち、健康的な毛並みを維持するために欠かせないケアです。
しかし、それと同時に思わぬけがや事故のリスクもあります。
シャンプーをする際は、なるべく工夫をすることでこのようなリスクを減らすことが大切です。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • ・シャンプー前に安全な環境を準備する
  • ・シャンプー中はわんちゃんの様子に気を配る
  • ・シャンプー後のケアも忘れずに行う
  • ・異常が見られた場合は獣医師に相談する


上記の点に注意しながら、わんちゃんをシャンプーすることで、けがや事故のリスクを減らすことができるでしょう。

この記事の監修者

どうぶつ病院京都グループ 獣医師

山口大学農学部獣医学科を卒業後、10年以上にわたり動物病院で臨床経験を積んだ獣医師。超音波検査や循環器診療の専門研修を修了し、日本獣医循環器病学会員としても活動。これまで一頭一頭の健康と快適な生活を考えた診療を心がけ、現在はブログ執筆や監修を通して飼い主様への良質な知識のご提供にも取り組んでいます。

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